家族の目をかい潜り冷蔵庫からプリンを奪取するなり〜(1)
一月某日、髪がテカテカのワイは冷たい床に汚い足裏を密着させ息を殺す。
ターゲットは二階の冷蔵庫に入っているプリン。
ワイは溢れ出る涎を右手で拭い音を立てないようゆっくりとドアを開ける。
子供部屋おじさん、それが世間から見たワイの印象。
何も言うことはない。ワイは全てを受け入れる。
ただ、他の奴らと一緒にして欲しくない。ワイは違うんや。
廊下に出る。冬の太陽は午前六時でもまだ眠っている。
冷たい空気が半ズボンの隙間を通ってワイの三段腹を固くする。
「メタメタに寒いなり〜」
思わず声が出てしまう、気温は0度を下回りこのままでは冷凍豚として出荷されてしまう。ってワイは豚じゃないブヒー。
一歩一歩慎重に進む。あ、四足歩行じゃないブヒよ。
ミシミシィッ__________!!!!!
ワイの体重に悲鳴をあげた床が叫ぶ。
3桁kgはまずかったか、冷や汗が垂れる。