くちびるを真っ赤に膨れさせて白い息を吐く。あぁ、辛ぇ!
指に付いた液体をヌプヌプ舐める。
蒙古タンメン中本のカップラーメンは蓋の上に辛さを調整するための調味料が付いている。
それをお湯を入れ五分経った蒙古にぶち込むとたまらなくおいしい。
「メタメタにからから~」
目を ✖_✖ にして上下左右に揺れながら耐える。
なかなかに辛い、飲み物を買った方が良かったかもしれない。
しかしコンビニの外に出ている、もう一度入店するのはあまりいい考えではない。
諦めてそのまま食べることにした。
割りばしを割る。とても綺麗に割れた、今年は大吉だ。
ぐちゃぐちゃに混ぜる。
フワっと周囲2~4mに匂いのバリアが張られワイだけの世界が完成した。
「ぬはぁ~~~~」
息を吐いて冷ます。視界が真っ白になった。
これこれ、やっぱりカップラーメンと言えばこの曇りだよな。
構わずラーメンを啜る。
衝撃が走った。なんだこの味は、美味い、美味すぎる。
身体の穴という穴から美味しさを表すための汁が滲み出て、今にも足元に水たまりができようとしている。
ひたいの汁を放置してさらに啜る。
箸を動かす腕が止まらない、理性を保つための脳みそという器官は働くことを辞めた。
今宵俺は本能の赴くまま獲物を食らう捕食者へと昇華した。
ずず、ずぼぼ、ちゅぴちゅぴ!
ずず、ずぼぼ、ちゅぴちゅぴ!
ずず、ずぼぼ、ちゅぴちゅぴ!
いつの間にか麺が無くなっていた。
麺だけでは少しだけ物足りない。
もちろん汁も飲む。塩分など気にしていたらカップラーメンなんて食べていない。
ごきゅごきゅ、ずずぅ、ちゅぴ、プハー!
ごきゅごきゅ、ずずぅ、ちゅぴ、プハー!
ごきゅごきゅ、ずずぅ、ちゅぴ、プハー!
全て終わった。何事も終わりはいつだって儚い。
くちびるを真っ赤に膨れさせて白い息を吐く。あぁ。辛ぇ!
しかしこの余韻も今は心地良いものだ。
食事が完了したら颯爽と帰宅する。ごみはきちんと持ち帰ろう。
明日はきっと腹痛だ!(^^)!